―いねむり どくしょ―

毎日読んだ本の紹介と感想。気に入った本には★、とても気に入った本には★★をつけています。コメント・トラバはお気軽にどうぞ。
のんびり更新しております。
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Flatlay Sheet (JTBパブリッシング)

JUGEMテーマ:読書

 

インスタグラムなどのSNS用に料理や小物の写真を撮る時、何を背景にしたらよいのか迷うことはありませんか?

本書はそんな時のためのお助けシート集。全部で32枚のシートが入って500円とお手軽です。

シートにはミシン目が入っており、本から切り離して使えます。サイズは雑誌と同じ大きさなので、コスメやお弁当、料理の皿など、色々なものの撮影に便利です。

 

使い方は簡単。

  1. 撮影したいものに合ったシートを見つける
  2. シートの上に撮影するもの(料理や小物など)を乗せる
  3. 写真を撮る。

たったこれだけです。

 

他にも、壁に貼ったり一部分だけ使ったり、色々と使い方をアレンジできそうです。

 

シートは無地のカラーシートからポップな柄のものまで、色々なものが収録されていますので、きっとお気に入りの柄が見つかるのでは。

欲を言えば、和柄や英字新聞のような柄、エキゾチックな柄(アラビアっぽいものとか)なども収録されていたらもっと撮影の幅も広がるのに……と思いました。

もし2冊目が発売されることがあれば、その時に期待したいです。

 

シートの選び方や撮影のポイント、おすすめアプリも紹介されていて、かゆいところに手が届く一冊。

写真撮影・SNSアップを多くされる方なら、持っていて損はないと思います。

2冊目、3冊目が出ることを期待しています。(もっとたくさん、色々な柄の中から選びたい!)

Life in the Desert 砂漠に棲む (美奈子アルケトビ)

JUGEMテーマ:読書

 

前作『砂漠のわが家』から1年半。

UAEの砂漠でたくさんの動物に囲まれて暮らす作者のフォトエッセイ、第2弾です。

前作よりも大きな写真集で、写真の量もエッセイの量も増えていて読みごたえたっぷりです。

 

今作は3つのパートに分けられています。

砂漠と動物の写真、UAEでの生活ぶりについての写真、そしてエッセイが中心のパートです。

 

中でも動物たちの写真に多くのページが割かれています。

砂漠から昇る朝日、砂に残された生き物の足あと、ガゼルや猫たちの満足げな顔。

特に動物たちの表情(眠そうだったり、仲間と喧嘩していたり)は前作以上に豊かで、自分も砂漠で彼らと暮らしているような気にすらなりました。

特に馬のサラーミーが欠伸をしている瞬間の写真は必見です。

 

今作ではUAEでの暮らしについても少し触れられていて、

いかにもアラビアンという感じの異国情緒あふれる家具や食事のメニューなどの写真もたくさん収録されています。

異文化生活に興味のある方ならきっと楽しめると思います。

 

また、作者がUAEの砂漠で暮らすようになるまでの半生も綴られています。

前作を読んだだけではわからなかった(そしてそのことに少し物足りなく感じた)作者について、人生観や性格までもうかがい知ることができました。

前向きで達観していて、でもどこまでも温かい作者のはなももさん。

写真集の動物たちが安心した表情を見せているのは、作者の愛情がたっぷり注がれているからですね。

 

第2弾ではありますが、今作だけでも充分楽しめます。

動物好きな方やアラブの生活に興味のある方に、おすすめです。

砂漠のわが家 (美奈子アルケトビ)

JUGEMテーマ:読書

 

UAEの砂漠で暮らす作者の家族の日常を収めたフォトエッセイ。

家族といっても登場する人間は、作者ご本人とUAE人の旦那様のみ。

あとのメンバーはガゼル、ラクダ、イヌ、ハト、ウマ、ネコ、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ……その数なんと合計200匹!!

 

私はアラブの砂漠に行ったことがないので、どんなところなのかと想像を巡らせても、それこそ幼い頃に読んだアラビアンナイトのイメージぐらいしか浮かばないのだけれど、

実際にはオアシス以外の場所でもちょこちょこ草木が生えていること、ハリネズミやフンコロガシなどの小さな生き物がたくさん暮らしていて豊かな生態系があること、砂についた足あとや風紋がとてもきれいなこと、全部初めて知りました。

 

また動物の表情がね、とても自然体でのびのびしていて良いのです。

ガゼルはガゼル、ネコはネコ、と種類ごとにページがまとめられているけれど、中にはラクダとハトとか、ネコと雛鳥といったツーショット写真もあって、思わぬ組み合わせやその表情にどきりとさせられます。

動物の表情は時に人間の言葉以上に雄弁ですね。

惜しむらくは、見開き1ページ全部を使った写真だと、ちょうど真ん中のところに動物の顔や体が来てしまっていること。

あっちょっとこの表情どうなっているの! と本を限界まで左右に引っ張ってしまいました。

 

最新のはなももさんの暮らしぶりは、ツイッターやブログで見ることができます。

・ツイッター https://twitter.com/hanamomoact

・はなももの別館 http://hanamomoac.exblog.jp/

 

この本が出たのは2014年なので、上記ツイッターやブログに登場する動物たちの少し若い(?)頃の写真と見比べるのも楽しいです。

あびさん(ネコ)が若い! とか、ペティさん(ウサギ)はこの頃からあびさんに夢中だったのね! などなど。

 

巻末にはこんなにたくさんの動物たちと暮らすことになった経緯も簡単に書かれています。

あくまでこの本の主役は動物たち(と旦那様)なので、人間様の異文化生活についてはほとんど触れられていません。そちらを期待すると肩透かしを食らうかも。

各ページにそえられたアラビア文字(たしか旦那様が書かれたとか)もとても美しく、見ていて飽きない1冊です。

 

まこという名の不思議顔の猫 まこまこドリームBOX (前田敬子、岡優太郎)
JUGEMテーマ:読書
流行りの付録本。純粋な本ではないのですが、本も含まれるということでご紹介。
絵本にブックカバー、ペンケース、付箋、ボールペンのついたセットです。

題名どおりの不思議な顔をした猫、まこちゃん。
ネットで人気の猫で、関連本も数冊も出ています(元になったブログはこちら→ まこという名の不思議顔の猫 )。
今回の付録本は、そんなまこちゃんの最新本!
……なのですが、発売と時期を同じくして悲しい出来事が……。詳細は上記ブログをご参照ください。

絵本は5分ぐらいで読めるごく短いもので、文庫本サイズの薄さながら、しっかりした表紙に全ページフルカラーです。
タイトルは『まこの1日』。
表紙カバーを取った本体のところも可愛らしいつくりになっていて、ほんわかした気分になりました。
ブログとはまた違ったテイストです。同じ内容ではないので楽しめるのでは。

文庫本サイズのブックカバーはしっかりした作りで手になじみやすく、使いやすいです。
まこちゃんの写真入りですが、本をテーマにした割合落ち着いた感じの色合いのため、電車の中などで人に見られても恥ずかしくなることはなさそうです。

ペンケース、ボールペンも同じく写真入りですが、ファンシーグッズのような感じなので(まこちゃんの写真がいっぱい)、ビジネスの場面では向かないかも。学校や個人的な場面にどうぞ。
ペンケースのMAKOタグがとっても可愛くて好きです。クッションみたいに厚みがあって、しっかりしているところもポイント。難点は全体の色が白っぽいので、汚れが目立ちやすいところでしょうか。
付箋はごく小さな一言サイズ。猫好きの人にメモを残す時に使うのにぴったり!(もしくは自分用?)

これだけ入って税込で2000円(うろ覚え)は安いと感じました。
まこちゃんファンの方や猫好きの方には特にオススメ。
付録本は店頭から姿を消すのが割と早い気がします。見かけたらぜひお早めにどうぞ。
★切手女子のかわいい収集BOOK (ばばちえ)
JUGEMテーマ:JUGEM
趣味は切手蒐集、なんていうと、ちょっと古臭いおじさんみたいでしょうか。
切手集めに興味があるけれど、入門書はどれも古かったり文章が固かったり小難しかったりで、どうも読みにくい。
そんな方にぴったりのやさしくて柔らかめな入門書です。

薄くて1時間ぐらいですぐ読めてしまうのですが、なかなかどうして内容はきちんとしています。
どこかのライターが適当に書いたわけではなく、著者はれっきとした切手マニアの女性です。

以下、簡単に内容を。

・切手を買える店(実店舗・ネット):
有名どころの店が写真つきで紹介されていて、お店の特徴(外国/日本など)や店主の紹介もあり、はじめて訪れる前の情報収集にぴったり。海外ネットショップの紹介もあり、買い方や何日ぐらいで切手が届くかの説明は心強いです。スタンプショウ・JAPEXも豊富な写真つきで紹介されています。

・切手の扱い方・保管方法:
切手のはがし方、ピンセットやルーペといった基本的なグッズの説明、ストックブックなどの代表的保管方法、専門用語の解説、切手カタログの紹介。
なかでも競争展については、作者が実際に出品するまでの過程を写真つきで詳しくレポートしており、興味深く読みました。

・切手の遊び方:
FDC、MC、風景印といった楽しみ方についての紹介。京都風景印散歩のコーナーでは京都のいくつかの郵便局とそれぞれの風景印(消印)がカラーで紹介されていて、こんな旅行の楽しみ方もあるのかと楽しい気分になりました。
その他、パリやタイの切手屋さん・切手展めぐりの様子もカラーで結構なページを割いての紹介があり、海外なので敷居は高めですがレポートを読むだけでも楽しめます。

・かわいい切手の紹介:
なんといってもこの本の魅力はこのページにあるのではないでしょうか。カラーで多くのページを割いてテーマごとに切手の紹介がされており、眺めているだけで時を忘れてしまいそうです。あくまで「かわいい」がテーマのためか、珍しい切手を集めたというより見ていて楽しい切手の紹介という感じ。説明文はほとんどなく、純粋に見て楽しむことに主眼を置いたページ構成です。
ハートの切手やバカンスの切手など、自分では思いつかなかったテーマの紹介にはっとさせられました。


海外レポートや店の紹介など、著者が実感をこめて自分の言葉で書いていることがよく伝わる文章です。
1冊1,000円とお手軽だし、切手に興味があるなら読んで損はないと思います。
かわいさあふれるつくりですが、内容は基本的なことですので、男性の方もぜひ。
★不道徳教育講座 (三島由紀夫)
JUGEMテーマ:読書
 三島由紀夫というと何をイメージするだろう?
私は生前の彼を知らないので、硬くて繊細な日本文学者というイメージと、壮絶な最期を遂げたらしいということしか思いつかないのですが、
この本の中には私の知らない三島由紀夫が居ました。

本書は一見、とてもとても不道徳です。
だいたい題名からして「不道徳」だし、ちょっと目次から章題を引用すると
「童貞は一刻も早く捨てよ」
「罪は人になすりつけるべし」
「先生を教室でユスるべし」
「恋人を交換すべし」
…どれもこれもOh! と叫んで頭を抱えたくなる章題です。
だからこそ、あの三島が? と衝動買いして楽しく読んだのですが、本文もなかなか刺激的で、満員電車の中でうっかり後ろから覗き見でもされようものなら、桃色で刺激的な単語の羅列に、勝手に変な誤解をされかねません。

でも、それはあくまで誤解なのです。
章題はとても刺激的でも、そこには氏ならではの逆説的道徳が込められており、結論だけ見ればどれも至極真っ当です。
たとえば、
「童貞は一刻も早く捨てよ」の章では曰く、童貞を捨てるということは「男にとってはこれが人生観の確立の第一歩」(p.43)と。
また
「恋人を交換すべし」の章では、日本の伝統的な浮気の概念を定義しつつ、「純粋なエロティシズムの本質は、孤独を前提にするもの」(p.330)で、「その過渡的な形が、恋人交換」(p.330)であると考察し、終いには「考えてみれば恋愛にはトランプ遊び以上の値打はない」(p.332)とばっさり言い捨てます。トランプ遊びならば大いに交換すべしというわけです(半ば逆説的に)。

以上はちょっと刺激に満ちた例ですが、他にもたとえば「何かにつけてゴテるべし」の章で、
「日本も三等国か四等国か知らないが、そんなに、「どうせ私なんぞ」式外交ばかりやらないで、たまにはゴテてみたらどうだろう」(p.297)
などとあるのを読むと、つい最近書かれた文章ではないかと錯覚してしまいます。


各章は概ね五ページ前後できちんとまとめられています。
刺激と逆説的道徳とそれを裏付ける知識とを、ほんの五ページに詰めこんでしまって、おまけに難しくない。
軽いようで軽くない、読み応えのある内容です。

解説によれば、本書は「週刊明星」という女性向き大衆週刊誌に連載された内容が元になっており、だからこそいつもの文学の中で見せる硬派な文章ではないそうです。
私にはどうにも、居酒屋で親戚のお兄さんが酔っ払いながら道徳論や人生論を語っているような、
そんな気さくで親しみやすい印象を受けました。

昭和四十二年初版発行とはとても思えない、全く色あせないエッセイ集です。
人生に疲れたときにふらっと読み返したくなる一冊です。
グリーンスムージーをはじめよう (仲里園子、山口蝶子)
JUGEMテーマ:読書
 野菜と果物、水をミキサーにかけるだけ。
砂糖などの添加物なし、そのままの野菜を丸ごと味わうのが「グリーンスムージー」です。
本書はグリーンスムージーのレシピ本。
野菜や果物の組み合わせ方のコツや、毎日続けて行くための飲み方などについてのコラムも載っています。


初夏の頃からグリーンスムージーを飲みはじめました。
どんな野菜を使えばいいのか(根菜以外ほぼ何でもOK)、そもそもミキサーとかジューサーとかブレンダ―とかフードプロセッサーとか色々あるけどどれを使えばいいのか(ミキサーです)、
最初は何もわからなかったので、この本を一読してからミキサーを買い、材料を買って、作るようになりました。

グリーンスムージーのレシピ本はたくさん出ているけれど、その中でこの本に決めたポイントを箇条書きにすると、
・作り方(ミキサーに入れる順番)が写真入りで説明されている
・野菜1種類につき複数のレシピが載っている
・野菜や果物の名前でレシピを調べられる
・フルカラーのページが多く写真がたくさん載っている
・本のサイズが大きすぎない(台所に持ち込むので)
…こんなところでしょうか。

慣れてしまえば、本を見なくても自分なりの美味しい野菜や果物の組み合わせを見つけられますが、
何もわからなかった最初の段階では本当に重宝した本です。

あくまで私の場合です。レシピ本の好みは人それぞれですので、
できれば書店で実際にパラパラめくってみて、自分に合うものを見つけるのが一番だと思います。


私のグリーンスムージー生活は秋がはじまる今も続いていて、
ダイエット効果とか美肌効果とかはよくわかりませんが、野菜や果物をたくさん摂取するようになったことで体調はたしかによくなったように思います。
これからも続けるぞ!
星のみなとのオペレーター (小川一水)
大嶋啓之,多田葵,あにー(TaNaBaTa)
Voltage of Imagination
(2012-05-18)

JUGEMテーマ:読書
 ハイブリッド・シネマティック・イメージアルバム「星海のアーキペラゴ」。
一つの世界観を小説と楽曲と映像とが紡ぎだす、組曲みたいな物語。
要はCDに1曲分のムービーと短編小説がついた作品です。
公式サイトはこちら→http://www.voltagenation.com/arc/

「星のみなとのオペレーター」はその中の小説です。フルカラーのカバー付、88ページ。

今より少し先の未来、太陽系の片隅にある小惑星イダの宇宙港管制室で、オペレーターの筒見すみれは楽しくも少し物足りない日々をすごしていた。
そんなある日、すみれは港で見慣れない物体を拾う。三角コーンのような形に目がついたその生物はすみれに懐き、すぐにペットのような存在になるが――。


作品の形態と長さから軽い小説かと思って読み始めましたが、なかなかどうして、人類の存亡をかけたスペースファンタジーでした。
長編小説にもなり得るだけの内容でありながら、過不足なくコンパクトに濃密にまとめられていて、うまいと思いました。
人類の未来がかかった歴史的事件が題材なのに、主人公のすみれはのんびりした性格なので、
物語はあくまで暖かく前向きに進みます。仕事や勉強の合間の息抜きとして、ぴったりです。

歌詞と曲と小説とがぴったり合っていていい雰囲気なので、CDを聞きながら小説の世界に浸ることをおすすめします。
読了した後歌詞を見返すとはじめて意味が分かる部分もあって、ニヤリとできました。

全く別の内容にはなりますが、空想活劇リアライズシリーズ、次回作も楽しみにしています。
ほっと文庫 シリーズ (有川浩、森見登美彦、あさのあつこ、桐生操、西加奈子、赤川次郎)
JUGEMテーマ:読書
 
入浴剤と短編小説もしくはエッセイのセット。
バンダイと角川文庫のコラボレーション作品です。→「ほっと文庫」公式サイトはこちら
リンク先は18個入のセットになっていますが、入浴剤はともかく、同じ小説が何冊もあってももったいないですので、ぜひバラでご購入を。
本屋さんや薬局で売っていますが、数が多くなさそうなので、店員さんに問い合わせるかアマゾンなどの通販を利用するといいかも。
※2011年夏の発売。普通の小説ではないので、購入予定の方はお早めに。

入浴剤と小説のセット!お風呂で読書する私には夢のようなコラボレーションです。
小説は角川文庫の、あのカバーを取った時の赤い表紙がついた装丁です。カバーがないということと、防水加工されていないということにはご留意を。
全6冊、全て違う色や香りがテーマの作品です。32ページ。30分弱で読めるので、短すぎず長すぎず、入浴中に読むにはちょうど良いのではないでしょうか。

入浴剤は粉状のもので、全6種類、全て香りが違います。
匂いは全体的にちょっと甘ったるく、自然な香りというよりは、飴や駄菓子の香りに近い人工的ものを感じました。

では各短編について短いコメントを。


『ゆず、香る』 (有川浩)

大学の英会話サークルで出会った2人は、社会人になった今も付かず離れずの微妙な距離を保つ友人同士。
そんな2人に、彼女が好きなゆず(故郷がゆずの産地だった)と、彼が会社で進める新しいプロジェクトが、2人の距離を変えていく――。

ラストが秀逸すぎて泣きました。読み終えてから入浴剤の袋を見て、パッケージを見て、また泣きました。入浴剤と小説の内容がリンクしていて、このシリーズにぴったりの素敵な恋愛小説。


『三毛猫はジャスミンの香りがお好き』 (赤川次郎)
交通事故で両親を亡くし天涯孤独となったあかねのもとに、祖父を名乗る紳士が現れるが、どうも堅気ではないらしい。
一夜にしてトップの孫娘となったあかねに、組織の罠が仕掛けられる。あかねのピンチを救えるのは、ふらっと姿を現した三毛猫だけ――。

赤川作品らしく軽くてさっと読めて面白いんだけど、決定的にページ不足、描写不足だと感じました。
せっかく二転三転するハラハラドキドキのミステリーなのに、それぞれの場面の描写がほんの数行程度なので、状況を飲み込む前に次の場面に移動してしまうのです。
もしも、もうちょっと長い尺に加筆されることがあったら、ぜひ読み直したいです。


『はちみつ色の』 (西加奈子)
ママの誕生日に、「私」の双子の妹のテンちゃんが亀になった。テレビで見た亀のロンサムジョージの友達になるらしい。テンちゃんは亀になって以来、学校に行かなくなって、はちみつをかけたバナナしか食べない。
一方作家のママは、年下の編集者の野村君に恋をしているが、どうにも実る見込みの薄い恋のようだ。
ママとテンちゃんと「私」をめぐる、三者三様の物語。

ちょっと軽すぎるくらいの口語で書かれているのだけど、きちんとした文学作品になっていて、そのギャップに驚きました。
この作者さんの作品ははじめて読みましたが、かなりの文章力を感じます。
亀ごっこをはじめる妹とか、年下の若い編集者に恋するママとか、長編だったらそれぞれ深く掘り下げることもできるキャラクターだけれど、それをあえてさらっと描写することで、短編としてうまくまとまった作品になっています。
ぜひこの作者の他の作品も読んでみようと思います。


『姫君とバラの香り』 (桐生操)
東西の香りの歴史をひもとくエッセイ。
古代エジプトからはじまって、フランス王朝時代のこと、源氏物語に描写されている香りの話などエピソードが盛りだくさんです。

こちらもちょっと物足りなく感じました。
それぞれのエピソードは興味深く読めたのですが、西洋の話、東洋(というか源氏物語)の話、ときて、それで終了なのです。
全体のまとめなり、比較なり、そういうページが最後にあってもよかったのではないでしょうか。
作者の意見が無いというか…エッセイって、論文ではないので、そんなものなのでしょうか?


『桃の花は』 (あさのあつこ)
美容師をやっている主人公・美枝が、一回り年上の明彦と別れたその日に、久しぶりに会った10歳年下の那留(なる)。
彼の強い言葉にみちびかれ、美枝は故郷の桃畑に向かう。桃の花は記憶の花。美枝はそこで思いがけない記憶を取り戻す――。

できすぎかなあと思うけど、悪くはないかな。
桃の花の香りの入浴剤と小説の中身がうまくリンクしている作品です。
美枝の過去の記憶について、もうちょっと掘り下げていてもいい気もしますが、足りないという程ではないです。
飄々とした那留、なかなかいい男です。私も会ってみたいな。


『郵便少年』 (森見登美彦)
小学三年生の「ぼく」は郵便が大好きで、ある日自分で郵便局を開く。通っている歯科医院の大家をしているヒサコさんというおばあさんから帽子と郵便かばんをもらい、意気揚々と手紙を配達するが――。

森見登美彦氏にこんな引き出しがあるとは!
素晴らしい短編でした。小説というより、「物語」とか「お話」とか「童話」とか、そんな言葉の方が似合うかもしれません。
興味を持ったことはとことん調べずにはいられない「ぼく」も、へそまがりで変わり者のヒサコさんも、ちょっと浮いた存在のクラスメイトも、登場人物全てがいとおしいです。
小学生ぐらいから読めると思います。子どもから大人まで幅広く楽しめる良作です。


個人的な好みの順に並べると、
有川作品→森見作品→西作品→あさの作品→桐生作品・赤川作品、といった感じでしょうか。
あくまで好みというだけなので、異論はたくさんあると思いますが……。
毎晩お風呂に入るのが楽しいシリーズでした。
もしよかったら、シリーズ第2弾も企画してほしいものです。
在日 (姜尚中)

 在日二世として生きる著者の半生を描く、自伝。
この種の本にありがちな、思い出の美化もみられるけれど、
二つの国の間で悩みもがく様がよく描かれている。

気になった言葉を拾う。
第四章で、ドイツ留学中の著者が友人のインマヌエルと自分の立場を比較するくだり――
「わたしには「故郷」と「祖国」が自然に一致するようなアイデンティティが欠落している」(p.139〜140)
「故郷」と「祖国」とを分離するという考え方にはじめて出会ったから、とても興味深かった。
そして、二つを分けて考えざるを得なかった著者の心中を思った。

この本は自伝なので、二世の生の声というか、主観が多分に含まれている。
今度はもっと客観的な描き方をしたものを読みたいし、一方では別の在日たちの話を読みたい、そんなことを思った。

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