―いねむり どくしょ―

毎日読んだ本の紹介と感想。気に入った本には★、とても気に入った本には★★をつけています。コメント・トラバはお気軽にどうぞ。
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Flatlay Sheet (JTBパブリッシング)

JUGEMテーマ:読書

 

インスタグラムなどのSNS用に料理や小物の写真を撮る時、何を背景にしたらよいのか迷うことはありませんか?

本書はそんな時のためのお助けシート集。全部で32枚のシートが入って500円とお手軽です。

シートにはミシン目が入っており、本から切り離して使えます。サイズは雑誌と同じ大きさなので、コスメやお弁当、料理の皿など、色々なものの撮影に便利です。

 

使い方は簡単。

  1. 撮影したいものに合ったシートを見つける
  2. シートの上に撮影するもの(料理や小物など)を乗せる
  3. 写真を撮る。

たったこれだけです。

 

他にも、壁に貼ったり一部分だけ使ったり、色々と使い方をアレンジできそうです。

 

シートは無地のカラーシートからポップな柄のものまで、色々なものが収録されていますので、きっとお気に入りの柄が見つかるのでは。

欲を言えば、和柄や英字新聞のような柄、エキゾチックな柄(アラビアっぽいものとか)なども収録されていたらもっと撮影の幅も広がるのに……と思いました。

もし2冊目が発売されることがあれば、その時に期待したいです。

 

シートの選び方や撮影のポイント、おすすめアプリも紹介されていて、かゆいところに手が届く一冊。

写真撮影・SNSアップを多くされる方なら、持っていて損はないと思います。

2冊目、3冊目が出ることを期待しています。(もっとたくさん、色々な柄の中から選びたい!)

★オリエント急行殺人事件 (アガサ・クリスティ・安原和見/訳)

JUGEMテーマ:読書

 

アガサ・クリスティ不朽の名作。

イスタンブール発カレー行きの豪華列車「オリエント急行」の客室で、ある朝一人の客が死体となって発見されます。

折しも列車は大雪で立ち往生しており、しばらく警察の捜査は望めません。

そこで名探偵エルキュール・ポアロは殺人犯の推理に乗り出しますが、乗客たちには皆アリバイがあり、また列車の外から誰かが侵入することも困難な状況です。

さて、犯人は誰で、動機はいったい何だったのか? ポアロが導き出した答えは意外なものでした――。

 

 

今までにも多くの訳が出ており、また2017年には映画版も上映されましたが、この光文社古典新訳文庫版の特徴は下記の通りです。

  • しおりに登場人物一覧と客車の見取り図(本文中と同じもの)が掲載されていること
  • 本文中の注釈で、本書が発売された当時の文化や言葉に関する解説が充実していること
  • 訳者のあとがきで原書の「疑問点」(クリスティが執筆の際に間違ったと思われる箇所)がまとめられていること

特にしおりに載せられた登場人物一覧はとても便利で、登場人物の名前や特徴を忘れてしまっても、しおりを見れば前のページに戻ることなく続きを読み進められました。

海外小説は登場人物の名前が覚えられないからちょっと……と敬遠している方でも、本書は気軽に読めるのではと思います。

 

 

恥ずかしながら私は今回初めて本書を読んだので、他の版に比べて訳文がどうこうとか比較することはできませんが、翻訳っぽさがないとても読みやすい文章で、一気に読むことができました。

解説も設けられているので本当にわかりやすいのですが、でもやはり、頻繁に登場するフランス語とか、イギリス英語とアメリカ英語の違いとか、できることなら原書でも読んでみたいと思う箇所も沢山ありました。

さらにヨーロッパの文化や思想的な背景を多少でも知っていると、より深く理解できる箇所もあると思います。もちろん、知識ゼロでも楽しめますが。

 

結末も素敵です。同じクリスティ作の『そして誰もいなくなった』を読んだ時の衝撃を思い出しました(本作はあの時ほどではありませんでしたが)。

 

2017年公開の映画版(公式サイトはこちら)も、オリエント急行の空撮や豪華な車内の様子など、ふだんなかなか見られない映像をたっぷりと味わうことができてよかったです。ですがやはり、一度は小説で触れておきたい作品です。

★ヴィクトリア朝の暮らし ビートン夫人に学ぶ英国流ライフスタイル (Cha Tea紅茶教室)
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コメント:当時の絵などの資料も豊富で、おすすめです。

JUGEMテーマ:読書

 

ヴィクトリア朝の頃(19世紀)のイギリスの女性の生活の様子を、豊富な資料で解説した一冊。

 

当時、上流〜中流階級の家庭では、メイドなどの使用人を雇って生活することが一般的でした。

でも特に新婚の女性にとっては、まだ夫人同士の付き合いのマナーや家事の仕方もよくわからないまま、使用人を指示しまとめあげていくことは至難の業でした。

そんな時代背景の中で生まれたのが、『ビートンの家政本』(『ビートン夫人の家政読本』)です。

雑誌に連載されていたコラムをもとに、イザベラ・ビートンによって編集されたこの本は

料理のレシピから掃除のやり方、冠婚葬祭のマナーまで、ヴィクトリア朝の女主人が生活していくのに必要なありとあらゆる情報が掲載され、人気を博しました(その後何度も改定され、現在でも読むことができます。英語ですが)。

 

本書(『ヴィクトリア朝の暮らし』)は、この『ビートンの家政本』の内容を中心に解説しているため、主に中流階級出身の女主人の目線で当時の女性たちの生活を描いています。

結婚式やハネムーンにまつわるあれこれから始まり、新居の選び方、お茶の買い方(ティータイムが1日に何度もあるので)、友人の作り方や親交の深め方とそのマナー、当時流行っていた娯楽、教養の磨き方、クリスマスの楽しみ、そして妊娠・出産と、

新婚の女性の1年間を一緒に体験していくような流れのつくりです。

 

「19世紀」「イギリス」「ヴィクトリア朝」なんて単語だけ並べると、自分とは関係のない遠い世界の話のように思えますが、意外や意外、現代日本に暮らす私たちの生活習慣に大きな影響を与えたものがたくさんあります。

特にヴィクトリア女王! 彼女やその家族が初めて行った物事には、結婚式に白色のウェディングドレスを着ることや、クリスマスにツリーを飾ることなどがありますし、世界で初めて発行された切手に描かれているのもヴィクトリア女王です。

また、結婚式での「サムシングフォー」の習慣や、婚約指輪と結婚指輪を花嫁に贈るという習慣も、ヴィクトリア朝の頃に確立したとされています。

……ね? なんだか当時の社会が少し身近なものに感じられませんか。

 

他にもうひとつ、読んでいて特に興味深かったのが、当時の人気トップ10の紹介です。

『不思議の国のアリス』や『ジギルとハイド』といった、今でも読み継がれている本が何冊も登場します。

本書ではこのランキング以外にも、ディケンズなど多くの小説や戯曲からの引用も登場しますので、当時の社会背景が理解しやすくなっています。

 

 

ヴィクトリア朝やイギリスの歴史、特に文化史に興味のある方にとてもおすすめの一冊です。

当時描かれた絵などの資料もとても豊富で、しかもカラーページも多く、見ているだけでも飽きません。

巻末に年表がついているのも嬉しいですね。

『ビートンの家政本』は、英語で出されていて(私の知る限りでは)日本語訳は出ていませんし、原書も辞書みたいに分厚いので、日本語で簡単に内容を知ることができるという点も画期的です。

 

ただ、そもそもヴィクトリア朝とは? といった基本的な歴史解説はありませんし、

本当に『ビートンの家政本』の内容解説に特化した本なので、ネットや他の本で基本情報を軽く知った上で読んだ方がいいようにも思えます。「はじめの一冊」には向かない本です。

それと、本書は女主人の目線で書かれていますので、使用人が実際どんな暮らしをしていて主人たちのことをどう思っていたのか、ということなどは書かれてはいません。

ヴィクトリア朝のことを知りたいなら、使用人の立場からの解説本とセットで読むのがベストかもしれません。

Life in the Desert 砂漠に棲む (美奈子アルケトビ)

JUGEMテーマ:読書

 

前作『砂漠のわが家』から1年半。

UAEの砂漠でたくさんの動物に囲まれて暮らす作者のフォトエッセイ、第2弾です。

前作よりも大きな写真集で、写真の量もエッセイの量も増えていて読みごたえたっぷりです。

 

今作は3つのパートに分けられています。

砂漠と動物の写真、UAEでの生活ぶりについての写真、そしてエッセイが中心のパートです。

 

中でも動物たちの写真に多くのページが割かれています。

砂漠から昇る朝日、砂に残された生き物の足あと、ガゼルや猫たちの満足げな顔。

特に動物たちの表情(眠そうだったり、仲間と喧嘩していたり)は前作以上に豊かで、自分も砂漠で彼らと暮らしているような気にすらなりました。

特に馬のサラーミーが欠伸をしている瞬間の写真は必見です。

 

今作ではUAEでの暮らしについても少し触れられていて、

いかにもアラビアンという感じの異国情緒あふれる家具や食事のメニューなどの写真もたくさん収録されています。

異文化生活に興味のある方ならきっと楽しめると思います。

 

また、作者がUAEの砂漠で暮らすようになるまでの半生も綴られています。

前作を読んだだけではわからなかった(そしてそのことに少し物足りなく感じた)作者について、人生観や性格までもうかがい知ることができました。

前向きで達観していて、でもどこまでも温かい作者のはなももさん。

写真集の動物たちが安心した表情を見せているのは、作者の愛情がたっぷり注がれているからですね。

 

第2弾ではありますが、今作だけでも充分楽しめます。

動物好きな方やアラブの生活に興味のある方に、おすすめです。

砂漠のわが家 (美奈子アルケトビ)

JUGEMテーマ:読書

 

UAEの砂漠で暮らす作者の家族の日常を収めたフォトエッセイ。

家族といっても登場する人間は、作者ご本人とUAE人の旦那様のみ。

あとのメンバーはガゼル、ラクダ、イヌ、ハト、ウマ、ネコ、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ……その数なんと合計200匹!!

 

私はアラブの砂漠に行ったことがないので、どんなところなのかと想像を巡らせても、それこそ幼い頃に読んだアラビアンナイトのイメージぐらいしか浮かばないのだけれど、

実際にはオアシス以外の場所でもちょこちょこ草木が生えていること、ハリネズミやフンコロガシなどの小さな生き物がたくさん暮らしていて豊かな生態系があること、砂についた足あとや風紋がとてもきれいなこと、全部初めて知りました。

 

また動物の表情がね、とても自然体でのびのびしていて良いのです。

ガゼルはガゼル、ネコはネコ、と種類ごとにページがまとめられているけれど、中にはラクダとハトとか、ネコと雛鳥といったツーショット写真もあって、思わぬ組み合わせやその表情にどきりとさせられます。

動物の表情は時に人間の言葉以上に雄弁ですね。

惜しむらくは、見開き1ページ全部を使った写真だと、ちょうど真ん中のところに動物の顔や体が来てしまっていること。

あっちょっとこの表情どうなっているの! と本を限界まで左右に引っ張ってしまいました。

 

最新のはなももさんの暮らしぶりは、ツイッターやブログで見ることができます。

・ツイッター https://twitter.com/hanamomoact

・はなももの別館 http://hanamomoac.exblog.jp/

 

この本が出たのは2014年なので、上記ツイッターやブログに登場する動物たちの少し若い(?)頃の写真と見比べるのも楽しいです。

あびさん(ネコ)が若い! とか、ペティさん(ウサギ)はこの頃からあびさんに夢中だったのね! などなど。

 

巻末にはこんなにたくさんの動物たちと暮らすことになった経緯も簡単に書かれています。

あくまでこの本の主役は動物たち(と旦那様)なので、人間様の異文化生活についてはほとんど触れられていません。そちらを期待すると肩透かしを食らうかも。

各ページにそえられたアラビア文字(たしか旦那様が書かれたとか)もとても美しく、見ていて飽きない1冊です。

 

★ゲームウォーズ 上・下 (アーネスト・クライン)
JUGEMテーマ:読書

時は2041年。全世界に巨大なネットシステム<オアシス>が張りめぐらされ、学校も仕事もあらゆることがネット上の<オアシス>の世界の中で完結するようになった近未来の地球で、ある日、<オアシス>開発者のジェームズ・ハリデーが死去したというニュースが流れるところから物語は始まる。
ハリデーは自身の開発した<オアシス>内に3つのイースターエッグを隠した。それを一番最初に見つけた者に、遺産の全てを譲るというのだ。
主人公のウェイド・ワッツはアメリカの小さな街に暮らす青年。成績も顔も並みで、両親はすでに亡くなり、叔母には邪険にされ、現実でも<オアシス>の中でも貧しくてパッとしない。
けれど彼には人とは違うところが一つだけあった。<オアシス>とハリデーのことを敬愛し、ハリデーのイースターエッグ探し(エッグ・ハント)に並々ならぬ情熱を注いでいたのだ。
彼のエッグ・ハントが成功する日は来るのか?――という物語。


今年「ピクセル」という映画が公開されたが、本作の雰囲気やメインターゲットになるだろう読者層は、「ピクセル」に非常に近い。
つまり1980年代に青春を過ごし、それもいわゆるリア充ではなく、オタクとしてゲーセンのインベーダーゲームや初期のアタリ製などのゲーム、映画、日本のアニメなどに熱中していた人たちに、本作は非常に刺さると思う。
ハリデーも、そして作者のアーネスト・クラインもまさにこの80年代を愛してやまない男で、作中いたるところ(エッグ・ハントにかかわる重要な場面からちょっとした日常のエピソードまで)に当時の映画の台詞やゲームの名場面が散りばめられ、作者と同世代の人ならニヤニヤが止まらないのでは。
でも決してその世代でなければ、ネタがわからなければつまらないという類の内輪向け小説ではない(そうでなければアメリカでこんなに売れて、映画化まで決定したわけがない)。
私は作者より下の世代で知らないネタが殆どだったけれど、ストーリーは問題なく楽しめたし、むしろ作者やハリデーや主人公の熱狂的なまでの80年代愛は心地いいくらいだった。

何より、仮想世界<オアシス>と現実との間で悩む物語は、SAO(『ソード・アート・オンライン』)などにとても近いものがあり、それだけで大変な親近感だった。
ネットゲームとかやる人なら主人公の気持ちはとても共感できるはず。

ストーリー展開はありきたりで、最後の結末も「こんなに引っ張っておいて結局それかよ!」という感じの作者の主張のようなものが入っていたが、この本の楽しみはそもそも結末を予想することではなく、その過程に一喜一憂したり共感しまくったりすることなのだと思う。
SFの括りに入る近未来モノだが、目新しいところは特にないので、普段あまりSFを読まない人でも戸惑わずにスッと入っていけるはず。ただネットとかゲームとか全く好きじゃない人には厳しいかも。
アメリカ版SAOというか、そんな感じの小説でした。
まこという名の不思議顔の猫 まこまこドリームBOX (前田敬子、岡優太郎)
JUGEMテーマ:読書
流行りの付録本。純粋な本ではないのですが、本も含まれるということでご紹介。
絵本にブックカバー、ペンケース、付箋、ボールペンのついたセットです。

題名どおりの不思議な顔をした猫、まこちゃん。
ネットで人気の猫で、関連本も数冊も出ています(元になったブログはこちら→ まこという名の不思議顔の猫 )。
今回の付録本は、そんなまこちゃんの最新本!
……なのですが、発売と時期を同じくして悲しい出来事が……。詳細は上記ブログをご参照ください。

絵本は5分ぐらいで読めるごく短いもので、文庫本サイズの薄さながら、しっかりした表紙に全ページフルカラーです。
タイトルは『まこの1日』。
表紙カバーを取った本体のところも可愛らしいつくりになっていて、ほんわかした気分になりました。
ブログとはまた違ったテイストです。同じ内容ではないので楽しめるのでは。

文庫本サイズのブックカバーはしっかりした作りで手になじみやすく、使いやすいです。
まこちゃんの写真入りですが、本をテーマにした割合落ち着いた感じの色合いのため、電車の中などで人に見られても恥ずかしくなることはなさそうです。

ペンケース、ボールペンも同じく写真入りですが、ファンシーグッズのような感じなので(まこちゃんの写真がいっぱい)、ビジネスの場面では向かないかも。学校や個人的な場面にどうぞ。
ペンケースのMAKOタグがとっても可愛くて好きです。クッションみたいに厚みがあって、しっかりしているところもポイント。難点は全体の色が白っぽいので、汚れが目立ちやすいところでしょうか。
付箋はごく小さな一言サイズ。猫好きの人にメモを残す時に使うのにぴったり!(もしくは自分用?)

これだけ入って税込で2000円(うろ覚え)は安いと感じました。
まこちゃんファンの方や猫好きの方には特にオススメ。
付録本は店頭から姿を消すのが割と早い気がします。見かけたらぜひお早めにどうぞ。
★切手女子のかわいい収集BOOK (ばばちえ)
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趣味は切手蒐集、なんていうと、ちょっと古臭いおじさんみたいでしょうか。
切手集めに興味があるけれど、入門書はどれも古かったり文章が固かったり小難しかったりで、どうも読みにくい。
そんな方にぴったりのやさしくて柔らかめな入門書です。

薄くて1時間ぐらいですぐ読めてしまうのですが、なかなかどうして内容はきちんとしています。
どこかのライターが適当に書いたわけではなく、著者はれっきとした切手マニアの女性です。

以下、簡単に内容を。

・切手を買える店(実店舗・ネット):
有名どころの店が写真つきで紹介されていて、お店の特徴(外国/日本など)や店主の紹介もあり、はじめて訪れる前の情報収集にぴったり。海外ネットショップの紹介もあり、買い方や何日ぐらいで切手が届くかの説明は心強いです。スタンプショウ・JAPEXも豊富な写真つきで紹介されています。

・切手の扱い方・保管方法:
切手のはがし方、ピンセットやルーペといった基本的なグッズの説明、ストックブックなどの代表的保管方法、専門用語の解説、切手カタログの紹介。
なかでも競争展については、作者が実際に出品するまでの過程を写真つきで詳しくレポートしており、興味深く読みました。

・切手の遊び方:
FDC、MC、風景印といった楽しみ方についての紹介。京都風景印散歩のコーナーでは京都のいくつかの郵便局とそれぞれの風景印(消印)がカラーで紹介されていて、こんな旅行の楽しみ方もあるのかと楽しい気分になりました。
その他、パリやタイの切手屋さん・切手展めぐりの様子もカラーで結構なページを割いての紹介があり、海外なので敷居は高めですがレポートを読むだけでも楽しめます。

・かわいい切手の紹介:
なんといってもこの本の魅力はこのページにあるのではないでしょうか。カラーで多くのページを割いてテーマごとに切手の紹介がされており、眺めているだけで時を忘れてしまいそうです。あくまで「かわいい」がテーマのためか、珍しい切手を集めたというより見ていて楽しい切手の紹介という感じ。説明文はほとんどなく、純粋に見て楽しむことに主眼を置いたページ構成です。
ハートの切手やバカンスの切手など、自分では思いつかなかったテーマの紹介にはっとさせられました。


海外レポートや店の紹介など、著者が実感をこめて自分の言葉で書いていることがよく伝わる文章です。
1冊1,000円とお手軽だし、切手に興味があるなら読んで損はないと思います。
かわいさあふれるつくりですが、内容は基本的なことですので、男性の方もぜひ。
★電気サーカス (唐辺葉介)
唐辺葉介
アスキー・メディアワークス
(2013-11-21)

JUGEMテーマ:読書
cakesというサイトで連載されていた長編小説(リンク先は『電気サーカス』紹介ページ)。
サイトの方では有料ですが番外編も読めるようです。

まだインターネットが今ほど普及していない、一部の人だけが23時からのテレホーダイを心待ちにしていた時代。
主人公の水屋口は日記系テキストサイトを運営している青年で、
育った家庭が崩壊したことをきっかけに大学を辞め、テキスト系サイトやら音楽やらの創作活動をしているネット上の知り合い達とアパートで共同生活をはじめる。
といってもそれは創作意欲に満ちた明るいルームシェアではない。酒・煙草・合法ドラッグ・無気力な退廃に塗れた後ろ暗い日々の連続だ。
やがてオフ会で真赤と名乗る中学生の少女と知り合い、彼女を共同生活の輪に加えたことをきっかけに、彼らの人生は様々に流転しはじめ――といったストーリー。


ダイアルアップ接続、テレホーダイ、ICQ、HTML、タグ打ち、テキスト系サイト、オフ会。
そんな単語にぐっとくる方、たぶんストライクです。
私はテレホーダイの最後ぐらいからネットを開始したので、小説の時代より数年後ではあるのですが、
同じようにテキスト系サイトを運営していたこともあり、とてもとても、痛い小説でした。
あの頃はテキスト系サイトの全盛時代でした。
数年後にはブログが広がり、タグ打ち職人の時代はあっという間に終焉を迎えたわけですが、
あの数年はテキスト系の住人達にとって何か特別な時代でした。
あの頃サイトを運営していた方々はみんなどこへ行ってしまったのでしょう?気づけばあっという間にいなくなってしまいました。
当時属していたテキスト系コミュニティの住人で今も続けている人を、私はほんの数人しか知りません。

小説を構成する他の要素。恋愛、セックス、リストカット、自殺未遂、いわゆるボダ(かまってちゃん)、酒、煙草、合法ドラッグ、無職、ニート、退廃、ルームシェア。
これらの背後にある薄暗さは、たぶん時代に関係なく、昔から形を変えてずっと存在するものです。
この小説を一言で表すなら、こうした普遍の要素に上記の特別な時代感を組み合わせて書かれた青春小説といったところでしょうか。

あまりの描写の濃さと長さに始終クラクラし、おまけに自分の経験とかなり重なる部分もあったので余計に苦しく、読んでいる間は主人公同様に鬱々とした日々を送りました。
どうして自分のことを書いた小説が世に出ているのだろうと訝しんだ程でした。
小説というより私小説に近いのではないかしら。オフ会の様子といい、真赤の繰り返す突飛な行動といい、リアルで胸に迫るものがありました。
それだけに最後のあっけなさには少々驚きましたが、悪くない読後感です。
テキスト界隈の賑わいはあっという間に消えました。
主人公の乱痴気騒ぎに満ちた青春もまたあっという間に終わり、現実という圧倒的な社会の中に否応なしに取り込まれてゆくのです。
それでよいのです。

青春小説という言葉で括るとあまりに陳腐すぎますが、
ですが大人になるということはなんという痛みを伴う行為でしょう。

あと数年もすれば、この小説と同じテーマを形を変えて書く人が現れるのかもしれません。
そこではテキスト系サイト管理人という言葉の代わりに、プロ生主とか、あるいは歌い手とか、そんな言葉が使われるのでしょう。
けれど、たとえ言葉は置き換わっても、テーマは永遠に変わらないだろうと思います。
いつもいつの時代も、それこそきっと百年前も百年後もずっと。
人生の中でほんの数年の持つ圧倒的な輝きと、その後ろにある大きな大きなブラックホール。
ひとは心に抱えた大きな暗闇の縁をやっとふらふら渡りきって、社会に出て行くのでしょう。
そうしていつか、かつて渡りきったブラックホールの存在を忘れると同時に、輝きも無くてしまうのです。
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近況報告
JUGEMテーマ:読書

気がつけばあっという間に1年経ってしまったことに驚いています。
気づかない間にコメントもいただいていました。返信をするタイミングをすっかり失ってしまいました。本当にすみません。

この1年で変わったことは何もないのですが、
2年ほど前から小説書きを再開しました。
元々このサイトは高校生だった頃に、自作の小説だの読書感想文だのを置くためにはじめたものです。
その後浪人をきっかけにサイトの更新を停止し、大学生になってからは読書感想文だけを時流に乗ってブログに移し(ちょうどブログが世に広まり始めた頃でした)、今に至る感じです。
社会人になって落ち着いてきて、また元の感じで小説を書こうかなあと。まあそんな感じです。
2年かけて、賞に応募して落選した作品とか、どこにも出していない掌編とか、いくつかたまってきたので
そのうちまた小説サイトに戻そうかと思っています。
まあ、こうしてブログを1年も放ったらかすような人間ですので、実現するかはわかりませんが。

絵空事はともかく。
このブログじたいは、どんなに更新が止まったとしても、それこそ生きている間はずっと続けるつもりです。
更新頻度は相変わらず低いと思いますが、思い出した時にでも覗いていただけると嬉しいです。

以上、近況報告でした。

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